【進出情報】中国の鉄鋼製品製造会社

世界有数の総合エネルギー・化学企業であるアラムコ、世界有数の鉄鋼コングロマリットである宝山鋼鉄股分有限公司Ltd. (Baosteel)、および公共投資基金（PIF）は、サウジアラビア王国に総合鋼板製造施設を設立する株主協定に調印しました。

慣例的な規制当局の承認と完了条件に従い、合弁複合施設は、皇太子、首相、経済開発問題評議会議長であるMohammed bin Salman bin Abdulaziz Al Saud殿下が最近発表した4つの新しい経済特区の一つであるRas al-Khair工業都市に設置される予定です。

この複合施設には、アラムコの比類なきエネルギーおよび産業サービスのエコシステム、宝山鋼鉄股分有限公司の高度な鋼板産業能力、PIFの強力な財務能力および投資専門知識が結集されることになります。同施設は、英国およびGCC地域で初めての施設となり、同地域の鉄鋼産業のエコシステムを可能にします。本プロジェクトは、重鋼板生産の現地化、知識の移転、輸出機会の創出を通じて、国内の製造業を強化することを目的としています。

同施設は、最大で年間150万トンの鋼板生産能力を持つ見込みです。また、天然ガスを利用した直接還元鉄（DRI）炉と電気炉を備え、製鉄工程でのCO2排出量を従来の高炉と比較して最大60％削減することを目指しています。DRIプラントは、大規模な設備変更をすることなく水素に対応し、将来的にはCO2排出量を最大90％削減できる可能性があります。

アラムコ社長兼CEOのAmin H. Nasser氏は、次のように述べています。

「王国初の鋼板生産施設は、サウジアラビアの鉄鋼産業のエコシステムを強化し、サプライチェーンの現地化を改善することが期待されます。アラムコの主要な産業投資プログラムであるNamaatのもと、政府のShareekプログラム(官民パートナーシップ)の支援を受けたこの合弁会社は、雇用を創出し、経済成長と多様化に貢献することが期待されます。アラムコは、王国の産業部門の能力開発を支援することで、当社とパートナーの皆様にさらなる価値を創造することを目指しています。」

PIFの副総裁兼MENA投資部長であるYazeed A. Al-Humied氏は次のように述べています。

「PIFは、サウジアラビア経済の多様化を図るため、現地市場における主要な戦略的セクターの事業機会を拡大し、その実現に努めています。このパートナーシップは、サウジアラビアの産業開発を強化し、金属産業におけるサプライヤーとしての役割を可能にする統合型鋼板製造施設の設立を目的としています。また、PIFの任務である、国内外での新たな戦略的パートナーシップの確立、技術や知識の現地化、民間セクターの活性化、現地市場における直接的・間接的な雇用機会の増加も実現します。2017年以降、PIFは13の戦略的セクターに投資し、国内で77の新会社を設立しています。」

宝山鋼鉄股分有限公司の会長である鄒継信氏は、次のように述べています。

「このプロジェクトは、鉄鋼業の低炭素化の道を探るという宝鋼の積極的な実践であり、宝鋼の国際的な発展戦略を推進する上で大きな成果です。このプロジェクトは、サウジアラビアにおける鉄鋼産業チェーンの現地化、雇用創出、地域経済の繁栄に積極的に貢献することを目的としています。」

宝鋼集団（宝山鋼鉄股分有限公司の親会社）の陳徳栄会長と、宝鋼集団の胡王明社長は、このプロジェクトを全面的に支持しています。

このプロジェクトはサウジアラビアを主要市場とし、GCCや中東・アフリカ地域にも輸出する計画です。パイプライン、造船、リグ製造、オフショアプラットフォーム製造、タンク・圧力容器製造などの戦略的産業分野の顧客にサービスを提供し、新規雇用の創出と輸入鋼材への依存度を大幅に低減することが期待されます。また、建設、再生可能エネルギー、海洋分野にもサービスを提供することを目的としています。

この投資は、地域経済の多様化を促進する有望な分野や戦略的に重要な産業の能力を引き出すというPIFの戦略に沿ったものです。この投資により、鋼板を必要とするPIFの多くの優先部門が支援され、地域により強靭な鉄鋼産業が創出されることになります。

この鋼板コンプレックスは、王国の大企業向けプログラム「Shareek」の支援を受けており、国内投資へのインセンティブを提供することで、より大きな民間-公共協力の促進、雇用創出、サウジ経済の発展強化を目的としています。また、サウジアラビアの経済、サプライチェーン、産業投資の多様化と拡大を推進する戦略的パートナーシップの確立を目的としたアラムコのNamaatプログラムにも該当するものです。