2022年09月08日掲載
サウジアラビア農業開発基金
- 経済
2022年6月30日、サウジアラビア農業開発基金(Agricultural Development Fund, 通称ADF)の理事会(環境・水・農業大臣アブドゥルラフマン・アル=ファドリが議長を務める)は、サウジ国内の特定地域に対する融資を決めました。金額は14億SAR(約510億円)相当です。
この融資が対象としているのは、温室栽培、家禽の飼育、魚の養殖、農産物用の冷蔵冷凍倉庫設備やオートメーションによる家禽屠殺システムの構築といった分野や、小規模農家の助成といった分野です。
また、サウジの食料安全保障戦略に組み込まれている農産物の海外からの輸入目標を達成するための資金の提供も含まれています。
ADFは、科学的手法と現代技術を駆使して農業部門を発展させ、その生産効率を向上させることを目的として、1962年に王政令に基づき設立されました。
比較的長い歴史を有している機関であり、設立以来、サウジアラビア全土における様々な農業活動への資金提供を専門的に行う政府信用機関として、機能してきています。
ADFのウェブサイトによれば、基金のミッションは、
①天然資源を保全しながら、食料安全保障の強化に貢献する。
②持続可能な農業開発を実現するため、農村地域の開発とその比較優位性の最大化に貢献する。
③健全なリスク政策の枠組みの中で、持続可能な財務的独立性と卓越した運営を達成する。
というものです。
ADFの資本金は200億SARにものぼり、農業における水の保全と利用の合理化や、環境保全に配慮する組織としてしての性格も全面に打ち出しています。
様々な分野の農業ニーズを掘り起こすために、農民に対する無利子での促進融資の提供も行っており、2022年上半期にADFが承認した融資は、農業活動の様々な分野をカバーするとともに、食料安全保障と戦略的貯蔵の強化、食料サプライチェーンの確保にも向けられており、金額にして28億SAR(約1,021億6,000万円)にものぼっています。
近年、その活動を活発化させているADFについては今後の活動が注視されます。
当団体について
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