サウジアラビアのエンタメ／eスポーツ

サウジアラビアでは、2022年7月18日から9月8日までの8週間にわたって、世界最大のeスポーツ・eゲームのイベントである「Gamers」のシーズン（Gamers 8）が開催されました。

リヤドのブルバード・シティでは、このイベントのために大きな会場が設営され、来場者に最高の体験を提供するため、最新のテクノロジーが導入されました。

「Your Portal to the Next World」をテーマにして開催される今シーズンのGamersは、eスポーツのプロ選手が参加するトーナメント大会、エンターテイメント関連イベント、コンサート、そして、世界中からこのセクターのリーダーや専門家が集まってディスカッションを行う「The Next World Summit」を4つの柱としています。
eスポーツやeゲームのファンに向けたスペシャルな場が用意され、たとえば、「エリート大会」と称するトーナメント大会には、世界レベルの選手やチームも参加し、その賞金総額は1500万米ドルにものぼりました。
このほか、教育・娯楽に関連したその他のイベントも提供され、特にトーナメント大会は、様々なプラットフォームを通じて8カ国語で生中継されました。

2017年来、サウジアラビア電子・知的スポーツ連盟（SAFEIS）およびアラブeスポーツ連盟の会長の任についているファイサル・ビン・バンダル・ビン・スルタン王子は、次のように述べています。

「サウジビジョン2030 が掲げるサウジアラビア王国の目標に沿って、eスポーツやeゲームの領域を発展させるための旅も続いています。ゲーマーズのシーズンを開催することは、この旅が継続していることの最大の証拠です。この世界的なイベントの開催は、現実世界と仮想世界の間の距離を埋めることを目指しており、eスポーツやeゲームのコミュニティに、前例のない経験を提供するものとなるでしょう。」
「サウジアラビア人口のうち、約2350万人がeゲームを実践しています。これは、サウジアラビアでは一家に一人はeゲームに熱心で、大きな関心を持っているという計算です。我々は、今回のeスポーツやeゲームの世界最大のイベントで、未来的な雰囲気を存分に楽しんでいただき、楽しい時間を過ごしていただけたらと思っています。」

eスポーツやeゲームは、サウジアラビアがこの10年余りの間、特に力を入れてきた分野です。

その熱量の大きさは、ファイサル・ビン・バンダル・ビン・スルタン王子の言葉が大いに物語っています。
王子は、「SAFEISは、何よりもまずゲーマーのために存在する連盟です。私たちは、世界レベルのエリートゲーマーと、ゲームを作る開発者、作家、ミュージシャン、コーダーの両方を持つことを成功と定義しています。私たちの目標は、放送やイベントの運営からICTインフラまで、ゲームに関心を持つすべての人が貢献できる業界を作ることです」と、その野心を述べ、実際に、ガバナンスの面でも、サウジアラビアを世界のゲームハブとして位置づけるための規制の導入やパートナーシップの構築のために、地元政府機関や国内外のゲーム・eスポーツ連盟と協働してきました。

ファイサル王子は、1983年から2005年まで駐米サウジアラビア大使を務めたバンダル・ビン・スルタン皇太子の息子として、幼少期のほとんどを米国で過ごし、2003年にテキサス州ウェイコのベイラー大学で電気通信の学士号を取得して卒業しています。

2005年にサウジアラビアに帰国した皇太子は、一族の民間部門の事業運営を主導する役割を担い、サウジアラビアをはじめとする中東・北アフリカ市場への多数の企業の参入を促してきました。

ゲーム好きのファイサル王子は、幼少期からMadden NFL（アメリカンフットボールのゲームシリーズ）をプレイし、友人たちの間ではエキスパートとして知られてきたといいます。
現在では、Assassin’s Creed Odyssey のようなゲームタイトルを楽しんでいるとのこと。
アラビア文化の中心にある優れたストーリーテリングが、サウジやアラブのゲーム開発者にとって大きな可能性をもたらすと信じています。

サウジアラビアにおいて、eスポーツ・eゲームの領域は、その成長に大きな期待が寄せられる分野でしょう。