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2024.01.15

【実績】サウジアラビアの国立研究開発機関 “KACST”と三菱総合研究所が協力覚書締結

日本とサウジアラビアの共同研究プロジェクト組成、スタートアップ支援に向け連携強化

サウジアラビアの国立研究開発機関であるキングアブドルアジズ科学技術都市(King Abdulaziz City for Science and Technology、以下 KACST)は、株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:籔田健二氏、以下MRI)と、10月1日、「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」第20回年次総会の機会に、協力覚書を締結しました。この協力覚書に基づき、両者は日本の企業、研究機関等とKACSTとの共同研究プロジェクト組成支援のほか、日本のスタートアップ企業の中東地域での事業機会探索等を推進します。

左から MRI理事長 小宮山宏氏、KACST総裁 Munir M. Eldesouki氏、MRI代表取締役社長 籔田健二氏

1. 経緯

サウジアラビアは、2016年4月に「サウジ・ビジョン2030」を発表しました。その中では、石油依存経済から脱却し、多様な産業での包括的経済発展を目指し、人材育成、民営化、外資誘致、市場開放等で大規模な改革方針を示しています。KACSTはサウジアラビアに多数の研究所・研究開発センターを有する研究開発機関であり、国内外の組織と連携して同国における研究開発、イノベーション(技術革新)を促進することで、科学・技術の側面から「サウジ・ビジョン2030」の実現を後押ししています。2020年2月にはバイオや宇宙、人工知能(AI)などの先端技術(ディープテック)系のスタートアップ企業を育成するため、「ザ・ガレージ」という名のインキュベーション施設を立ち上げました。

MRI社は国内外における企業、大学・研究機関、政府機関の研究連携促進や、研究開発プロジェクトのマネジメント、スタートアップ企業の支援に取り組んできました。2022年10月に行われたMRI理事長 小宮山宏氏とKACSTのムニル・エルデソーキ総裁との会談を皮切りに、こうした経験や日本国内の幅広いネットワークを生かし、日本の企業、大学・研究機関、政府機関等とKACSTとの研究連携強化のあり方を模索しています。

2. 概要

本協力覚書では日本、サウジアラビア両国における研究開発、イノベーション促進のため、次のような活動において協力関係を強化することが望まれます。
1.日本の企業、大学・研究機関、政府機関とKACSTとの協力を実現するための方策検討
2.上記の活動を通じた日本の企業、大学・研究機関、政府機関とKACSTとの共同研究プロジェクトの組成
3.日本のスタートアップ企業の「ザ・ガレージ」への誘致
4.サウジアラビアにおける科学技術に関する国際会議の開催の検討

3. 今後の予定

MRI社は、今回の協力覚書締結により、上記の活動を中心にKACSTと今後の協力の具体化を進め、日本、サウジアラビア両国における科学技術発展への貢献を目指してます。

参考:KACSTについて

1977年、サウジアラビアにおける科学技術振興を目的とした独立研究開発機関として、前身組織であるSANCST(サウジアラビア国立科学技術センター)が設立され、1985年に現名称に改名しました。1987年には国際科学会議(ISC)にも加盟しました。KACSTは環境、エネルギー、医療等の16分野※1を中心に以下の活動を行っており、同国のムハンマド皇太子(兼首相)もKACSTを重視し、多大な期待を寄せています。
・国内外の研究機関※2との連携による研究所・研究開発センターの設立、技術開発
・研究プロジェクトの助成や人材育成等による研究開発促進
・スタートアップ企業のインキュベーション等を通じたイノベーション促進
・国家レベルの研究開発・イノベーション支援計画の策定

※1:エネルギー、水、石油・ガス、鉱物、先端材料、医療、ICT、農業、建築・建設、輸送・物流、環境、航空、宇宙、防衛・安全保障、核化学、応用物理学
※2:主な海外連携先として、NASA、マサチューセッツ工科大学(MIT)、スタンフォード大学、Intel社、IBM社など。