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2024年02月27日掲載

拡大するサウジアラビア・ノンアルコールビール市場と酒類販売店の解禁

先月サウジアラビアは、首都リヤドに非イスラム教徒の外交官を対象とした初のアルコール販売店をオープンしたと発表しました。サウジアラビアに酒類販売店ができるのは実に70年ぶりです。

この店は一般向けのものではなく、サウジアラビア政府が1950年代から市民に適用しているアルコール禁止令を無効にするものではありません。

Reuters社によると、顧客はモバイルアプリに登録し、外務省から承認を受けた許可コードを利用して酒類を購入することができます。しかし購入数量には制限がかけられており、毎月の購入ノルマを遵守する必要があります。

これは、ポスト石油経済を構築するための「ビジョン2030」として知られる、より広範な計画の一部でもあります。
サウジアラビア国際広報センター(CIC)は、「この新たなプロセスは、非イスラム系大使館のすべての外交官が、指定された枠内でこれらの製品を入手できるようにするものである」と声明を発表し、新しい規制は、外交使節団が受け取るアルコール商品や製品の不正取引に対抗するために導入されたと述べました。

拡大するノンアルコールビール市場

サウジアラビアでは、アルコール飲料の販売が禁止されている一方、ノンアルコールビール市場が年々拡大しています。

近年所得水準上昇による国民の生活水準の向上により、高級品であるノンアルコール飲料に対する一人当たりの支出が増加しています。

市場拡大の要因として、ポリフェノールを含むノンアルコールビールが心血管の健康状態を改善する可能性があることから、国民の健康意識の高まりによってノンアルコールビールの消費量が増加したこと挙げられます。特にホップに含まれるキサントフモールは抗肥満作用や抗がん作用が認められています。
また、イスラム教徒による需要はもちろんのこと、自国ではアルコールの摂取が認められている外国人駐在員が増加していることも一因であると考えられています。

「ビジョン2030」の制定によって様々な改革が勧められているサウジアラビアでは、外国人観光客の増加などにより飲酒に対する法制度が変化していく可能性があります。
現在はノンアルコールビールの市場が中心となっていますが、サウジアラビア国内にはモクテルなどノンアルコール飲料を提供するバーがあり、将来的にノンアルコールワインや蒸留酒などの市場拡大も見込まれています。

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