2024年02月06日掲載
WHOがサウジアラビアを食品から人工型トランス脂肪酸を排除した国として表彰
世界保健機関(WHO)は、サウジアラビア食品医薬品庁(以下、SFDA)に対し、同国の食品に工業的に生産されたトランス脂肪酸(iTFA)が含まれていないことを保証したとして、認定証を授与しました。
サウジアラビアは、iTFAを排除する模範的な政策を実施していることが国連保健機関から認められた国となり、デンマーク、リトアニア、ポーランド、タイに続いて名を連ねることになりました。
(写真:SPA)
授賞式の中で、SFDAのCEOであるHisham bin Saad Aljadhey博士は、WHOの公衆衛生促進の努力と慢性疾患の蔓延を減らすための取り組みに感謝の意を表しました。
Aljadhey氏は、サウジ・ビジョン2030の一環である保健セクター変革プログラムを強調し、このプログラムが、王国の人口の平均寿命を延ばし、すべての人が健康で充実した生活を送れるようにすることを目的にしていると語りました。
2017年、SFDAは健康的な食品と栄養に関する包括的な戦略を策定し、社会の栄養パターンの改善と食品の栄養価の向上に焦点を当てました。この戦略には、食品中の塩分、糖分、脂肪分を減らす政策の実施が含まれていました。さらに、食品施設は消費者にカロリー情報を開示することが義務付けられました。
2020年1月以降、SFDAはトランス脂肪酸の主な発生源である部分水素添加油脂を国内の食品供給から禁止することに成功しました。
●人工型トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸は、主に工業的な食品製造過程で産生され、マーガリンやショートニングなど特定の加工食品中に多く含まれる「人工型」と、主にウシなどの畜産動物内で産生され、乳製品や牛肉などに多く含まれる「天然型」の2つに分類されます。東北大学の研究によると、トランス脂肪酸の中でも、工業的な食品製造過程で生じる「人工型」は制御・プログラムされた細胞死を促進する作用があることが明らかになっています。
Aljadhey氏は、同王国は、食生活パターンの改善と消費者がより健康的な食品を選択することを奨励することを目的とした、包括的な政策とイニシアティブのシステムの実施に熱心であることを示しました。同氏は、SFDAが2015年以来、トランス脂肪酸の消費を制限するために義務的および勧告的措置を講じており、油脂製品中のトランス脂肪酸の上限を2%以下に、その他の食品中のトランス脂肪酸の上限を5%以下に設定し、2020年の部分水素添加油脂の禁止に至っていることを指摘しました。
人工型トランス脂肪酸を排除する規制の実施における同国の優れた措置により、同国は人工型トランス脂肪酸排除のための国際諮問チームの議長に任命されました。代表はSFDA健康食品部のFaisal bin Fahad bin Sunaid部長で、同チームは、世界保健機関(WHO)から、加盟国の食品に人工的なトランス脂肪酸が含まれていないことを証明する認定証を求める加盟国の要請を評価する予定です。
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